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【津軽のお寺さん巡り~弘前編 vol.61:弘前寺(真言宗智山派)】

【津軽のお寺さん巡り~弘前編 第61回:弘前寺(真言宗智山派)】

 弘前市常盤坂の小高い丘に立つ弘前寺は、初代住職である小泉智弘さんが一代で築いた祈祷寺です。千葉県成田市にある大本山成田山新勝寺の末寺として昭和11年に桶屋町で結社として始まり、22年に正式な寺院となりました。その後信徒が増えて手狭になったため、昭和28年に桶屋町から現在地へと移転しました。

 小泉智弘元住職が信仰の道に入ったのは十八歳ごろ。昼は津軽塗の職人や映画館勤めで家族を養い、夜は修行に励みました。相馬村の溝江貞善覚應院九代住職に師事し、山伏になるため青春を厳しい苦行にささげ、「火生三昧」を修めました。「火生三昧」とは、衣の中にたいまつを入れたり、赤く焼けた鍬を握ったり、煮えたぎった大釜に入ったりして祈祷を行い、お不動様への報恩感謝を示す荒行です。これらの”三代秘法”の後に行なわれる火渡りでは、信者たちが草履を履くのに対し、小泉元住職は素足で渡ったといわれます。その姿をまねて同じく素足で火渡りをした人が足裏に大やけどを負ったとの逸話も残り、荒行の厳しさを物語っています。

 祈祷寺であるため、弘前寺は檀家も墓所も持っていません。しかし単に祈祷するだけでなく、人の身になって相談に応じて悩みを解決してあげる。初代からのこうした実績の積み重ねによって、今では北は北海道から南は埼玉県まで千人近い信者を数えます。新勝寺の末寺は各地にあるのですが、それでも弘前寺へとわざわざ遠方から足を運ぶ信者の方々がいらっしゃいます。

(「こころ 津軽のお寺さん巡り 弘前編」より抜粋。)

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